御光話(S23年6月28日) *人間『御光話録』発行年月日不明、推定昭和26年頃。


昭和二十三年六月二十八日

――人間は神様によって初めに地球上の一地域に作り出され逐次各地に分散したものでしょうか、それとも地球上に広範囲に造り出されたものでしょうか。

 最初は一組の男女ができ、それからしだいに殖えたのです。だから最初は血族結婚だった。「イモセ」という古い言葉は妹を妻にしたことであり「吾妹子(わぎもこ)」とはこれを言うたものです。

しかし人間を作られたとき人種はいろいろとお作りになった。また初めは土から作られたのでしょう。土人は黒土から作られ、それから赤土、白土というふうにね……人間は死ぬと土に還るのはその証拠です。勿論人間だけではなく、物質はすべて土からできたんです。人間がどういうふうに作られたかはちょっと……


――原日本人(天孫民族)は日本のいかなる地に造り出されたのでしょうか、あるいは地球上のどこかに造り出され日本に渡来したものでしょうか。

 天孫民族というのは漢族なのです。瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の系統で、この尊は漢の英雄です。これはユダヤではないかと思われます。ユダヤは昔十二種(支)族もありそのうち一種族だけ東方へ行ったと伝えられてますから、これが支那へ来てここでなにかやろうとしたが、当時支那は栄えていて事を挙げることができず、そのうえユダヤは放浪性があり定住することがなかった。その中の一部が九州の高千穂に来て、うがや葺不合尊(うがやふきあへずのみこと)や神武天皇になったのです。山の上から下へ降りたから天孫というだけで純粋ではないんです。富士山に住んでいたとの説もあるが本当ではなかろう。


――原日本人(天孫民族)創造以前に神様は人間をお造りになられたのでしょうか、それとも天孫民族が一番最初に神様によって作られたのでしょうか。

 天孫民族は古くない。まあ二千数百年くらいで一番最初の人間からは何十万何百万年経っているか判らないですよ。

――天孫民族と大和民族とは同一内容のものでしょうか。

 大和民族のほうはそうとう古いんです。これはまったく戦争を嫌い平和愛好民族なのです。ところが素盞嗚尊が朝鮮からやって来てすぐに日本を征服したが、それがまた神武天皇に征服されてしまった。大和民族はこの二つの民族の下積みになって判らなくなってしまった。日本を支配したのは朝鮮、支那の民族であって日本民族はずっと支配されてきた。朝鮮系は素盞嗚尊から三代を経て大国主命になったんですが、いままでの日本の歴史とは朝鮮系と支那系の天下の「とりっこ」であって日本人の行動は出てない。いままで人民の歴史がなく、特権階級の歴史だったのはそのためなのです。これから本当の人民の歴史ができるんです。これは体的ばかりでなく霊的にもずっと連なっているのです。徳川家康は大国主命の系統であり、天皇は神武天皇系だったのです。神武天皇の次の綏靖(すいぜい)天皇の后は大国主命の娘であり、南北朝の南朝は素盞嗚尊、北朝は瓊瓊杵尊と神武天皇の争いです。

――そのことは大先生のみのご存じのことでしょうか。

 いや歴史にありますよ。出雲朝が日本を支配したこともはっきりしていて、天皇になったことも出てます。天理教にも「日本の真の柱は唐人だ」とあり、大本の『霊界物語』にも支那の磐古神王――これは日本の天照皇大神に当たるんですが――が日本に来て天皇になったとある。だからこれは私のみの意見ではない。私は別のことでも判っていた。それは以前「神憑り」によって詳しく知ることができた。瓊瓊杵尊から神武天皇に至る間にも神秘はたくさんあります。大和民族には偉人も出ているが、多くは芸術家に優れたのがいます。光明皇后、応神天皇や義経は大和民族です。義経にはいろいろ神秘がある。聖徳太子は代表的な大和民族です。


――血統と霊統の区別ならびにその関係について……

 本当は違うんです。霊統とはまた系統のことです。血統のほうは混っている。日本人はほとんど混血ですが霊統のほうはずっと続いてます。これはどうしても続くんです。血は混ったほうがよろしい。以前ナチスが民族の純血を唱えてユダヤ人を追放したがあれは駄目です。今後だって混血したほうがよい。なぜいいかと言うと、他人種の力をとり入れればそれだけ力が強くなる。文化だってそうでしょう。交通が開けて各国の文化が交流すればするほど文化は発展するのです。


――大和民族は古いのでしょうか。

 いや大和民族は新しいです。日本自体が新しいのです。これは私の意見ですが、ダイヤとかプラチナなんかはアフリカなどにたくさん出て、日本には出ない。鉱物は古くなればなるほど硬化する。だからダイヤやプラチナはそうとう古いものです。これが日本にない。従って日本は新しいということになるのです。
 
アメリカは世界で一番新しい。
 
外人との結婚はいいですよ。


――以前天津祝詞は御先達一人で奏上し、御神名から一同で奏上いたしましたが、いまはこれをいたしませんがいかがでしょうか。

 いまの祝詞は私がやらないからそれでいいわけです。

――御軸に対しまして合掌してから頭を下げる人と合掌せずに頭を下げる人とありますが、いずれがよろしいでしょうか。

 手を合わせてから頭を下げるほうがよい。お供えものは人間のほうへ向け人間が見やすいようにするのが本当です。神と人間と両方満足するように。ドイツの哲学者のオイケンはこれについて「人間が満足するために神を祀るのである」と主張していました。気持ちをやはり神様に上げることです。神様のお供えには箸はいらない。御先祖には向こう側(仏様の側)に箸をつける。観音様の御軸に対するお供えは箸を観音様のほうにおいたらよろしい。お供えものを神様は召し上がるというより霊を入れてくださる。祖霊は食べます。お供えしておく時間はあまり長すぎてもいけずすぐ下げてしまうのもいけない。お供えして祝詞を上げてそれが終わったら下げたらよろしい。


――会員の方々がお供えをした場合は……

 三十分か一時聞くらいお供えしておいたらいいでしょう。あまり長くおいてもホコリがたかったり品物が痛んだりしますから。


――幽世大神とは閻魔大王のことでしょうか。

 ええ閻魔様です。幽世大神も観音様の部下なんですが、霊界で係りをやっているからお唱えするのです。ちょうどこの世でも区役所の仕事は内務省の管轄だが、いきなり内務大臣へは行かない。それと同様にそれぞれ係りがあるのです。


――夫婦の先祖の霊を同じ仏壇にお祀りしてもよいでしょうか。

 いいです。そこの夫の先祖の次の位に祀ったらよい。夫婦の霊は片方だけでなく必ず一緒にして祀らなければいけない。妻は妻の先祖を祀ればよいが、主人は先祖のほか、亡くなった兄弟なども祀る。位置は左が上座です。

 養子は女の家が主体になる。養子を迎えるのは養子が女になるのです。名前で「三」の字がついたのはたいてい養子になる。「三」とは女の働きなのです。

 大黒様は御軸の正面に祀るのがよいが、やむを得なければ観音様の左、向かって右でよい。
 床の間の上はなにもかけないのが本当です。


――天津祝詞の中の神漏岐(かむろぎ)、神漏美(かむろみ)の命様について……

 高御産(たかみむすび)、神御産(かみむすび)の神なのです。一番上に、天御中主(あめのみなかぬしの)大神、次に神漏岐、神漏美、次に高御産、神御産、次に伊装冊となるのです。


――「大先生はいろいろの型をなさっておいでになる」由ですが、そのことの基礎的知識について……

 これは神様がやっておいでになるのだからね。私は別になにも……。これはいまは言えません、時間が来たら話をしよう。


――山口県長門三隅(萩から約一時間、古戦場)長崎県五島(墓を粗末にしている傾向あり)右二カ所は極端に霊憑りの患者が多いのですが……

 ほう、そうですか。動物霊ですね。それはそこの霊界が曇っているから動物霊が働くのです。やはりその土地の神様の位が低く力が弱いのです。

――御軸や御額をお祀りいたしたらいかがでしょう。

 ああ勿論結構です。以前治療所と言っていた時分、額をたくさんかけた所は発展しましたよ。最初から一番たくさんかけたのは渋井です。私もその発展ぶりにはびっくりしました。
 御額はたたんで三宝にのせてたって駄目です。ちゃんと展(ひろ)げてかけねば。

――ちょっと家の事情、例えば金がなくて表装できぬという場合は……

 そんなことはないですよ。表具屋へやれば必ず金が入ってきますよ。借金をしてもいいから表具屋へ持って行くことです。


――家に永くいた蛇が死にましたが、いかが処置したらよろしいでしょうか。

 人の踏まぬ所へ埋めて祝詞を上げてやんなさい。石を刻んで立てればよい。一時的には……明神と木に書いて立ててもよい。長村明神なんか蛇にはちょうど合ってますよ。天津祝詞を上げ、最後は「幽世大神」と唱え「この次は人間に生まれてきますよう御守護をお願い申し上げます」と言ってやればよろしい。家に永くいた蛇なんかたいてい祖霊ですから。


――お許しなしでお言葉を印刷し弟子に配布いたしました……

 かまいませんよ。ただ判らない人が見て誤解を起すことのないよう注意すれば。私もこうして話をするのもできるだけ常識に合ったことを話して誤解のないようにしているのです。

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