御教え集13号 昭和二十七年八月二十七日 ※御教えの取り違え

      病気に対して注意したい事があるのです。それは、私の言う事を非常に大袈裟に考えたりするきらいがよくあるのです。よく聞く話ですが、例えてみれば私が「人間は無理をした方が健康を増す」という事を言うのですが、之は健康な場合はそうなのです。つまり無理をした丈――丁度スポーツマンがレコードを作る様なもので、あれは無理をするので段々レコードが増していくのです。そこでそれが身について、古橋みたいになるのですが、今度古橋が振わなかつたのは原因があるのです。やつぱり薬毒なのです。注射をよくやつたのです。その為に弱つて了つたのです。大体、外国に行く場合には、規則的な注射をやりますから、そういう事と、それからレコードを作る為に非常に、強力剤という様な注射をやるのです。それで段々弱つて了つた。普通ならあんな馬鹿な話はないです。医学迷信の為にそういう事になるわけです。だから健康の場合には大いに無理をした方が良いのです。処がそれを病人に対してそういう事を言う人があるのです。で、結核なんかとても大儀で、身体がだるくて仕様がないのに「寝ていてはいけない」と無理に動かそうとするが之が大変な間違です。そういう事は、やはり自然が良いのです。自然農法ばかりでなく自然療法です。そういう風にしなければいけない。だから身体が大儀で寝たいという時には、つまり寝ろと身体から命じられる様なものです。非常に水分が飲みたいという場合なんか、よく医者は止(ト)めます。あなたは水気を飲んではいけない、と――おまけに赤ん坊なんか下痢やそういつた場合に非常に止(ト)めますが、それで反つて赤ん坊が弱つて死んで了うという場合があります。そういう様で自然に反する事がいけないのです。

    身体が、起きたくて歩きたい動きたいというのを、絶対安静とか言つて医学の方でやる様な、押え附けて寝かせて置くというのは非常に悪いのです。起きたくない時には寝ているし、それからもう寝て居られない、起きたくて歩きたいという時はそうする。自然にすれば良いのです。それをどうも極端に考えたがるのですが、之は信者さんばかりでなく、大体世間の人というのはそういう人が多いのです。之は特に日本人はそういう傾向があるのではないかと思うのです。物事を有りの儘見て有りの儘感じて有りの儘話をするという人は寔に少いものです。それから私の鉱山をやつている係の者が二人ありますが、その報告を聞くと一方は凡て悲観的に言うのです。一方は楽観的に言うのです。それで私はその間をとつてやつてますが、あゝいう事が可笑しいのですが、そういつた癖が皆あります。物事そのものを実際通り言う人は、それは偉いです。それは意識的にやる人もあるし無意識的にやる人もあるのですが、一つのそういう癖でしよう。知らず識らず言つて了うのです。それから良い事を言うと人が喜びますから悪い事を言わないで良い事を言う人があるが、あれもいけないです。それから喜ばせるのが嫌いな人がある。人に心配させるというのもある。

        「明主様御伺い申し上げます。病人が衰弱して居ります時に、食物は栄養の物を摂らして戴きます事は――」

      栄養とは何んですか。

        「牛乳とか卵とか与える事は宜敷いのでしようか」

      栄養とは野菜です。卵とか牛乳は極く薄いのです。

        「素人考えで、楽に摂れるのではないかと考えまして――」

      それも自然なのです。というのは長く寝ていて非常に胃腸が弱つてますが、そういう人は固形物だと一寸合いませんから、やつぱり胃腸なんか弱つているから、流動物とかお粥とかやります。それから下痢の場合にはそれに合う様にして良いのですが、それは下痢にも依るのです。私なんか此間非常な下痢をしましたが、普通の物と同じです。というのは下痢の正体が分つたからです。此処(後頭部)の毒が溶けて下痢になつているのだから、食物は関係ない。只斯ういう場合に気を附ける。潰瘍です。始終胃の薬を飲んで――胃の薬というのは消化薬で、消化薬は重曹が元ですから、重曹というのは柔くする癖がある。そうすると胃壁や腸を段々柔くして了うから、胃の粘膜が一寸触つても切れる様なそういつた習慣になつてますから、固形物が其処につっかゝると、傷をして出血したり痛んだりします。それから十二指腸潰瘍もそうです。そういう場合丈です。そういう場合は分ります。出血があります。喀血するとか――胃潰瘍の喀血ですが、それから便が出るとかするから其時は潰瘍が出来ているのですから、其時はそれに障らない物を食べる。それから腸チフスは、やつぱり腸の粘膜が柔くなるのですから、そこでそれに虫が湧くのです。そうして穴があくのです。そうすると、固形物ですと其穴に入るのです。そうすると熱が出るのです。

    そこで、医学でもそうですが、流動物をやるのです。然し浄霊すると直き治ります。腸チフスは、病院に入院している人はそうはいかないが、何でもなく治るものです。

    病院に入院している人は、腸に穴があいているのが容易に治つてませんから流動物です。だから症状に依つてそれに合わせる食物を摂ると良い。

        「胃腸の衰弱の場合にも流動物で――」

      今言つた様に急に固い物をやると無理だから、それは加減してやるというわけです。それから別に症状がないのは、消化の良い物ばかり食べているから弱つているものもありますから、そういうのはお茶漬が反つて良いのです。だからその見別けは別に難かしい事はない。良く聞いて之は之だなという事で分ります。それから食べたいというのは身体が要求しているのだから、それで良いのです。よく食べたくないのに無理しておあがりと言うのは、あれはいけない。一週間やそこら断食しても何でもない。日本での断食のレコードは三十何日間かです。何処かの国で断食のレコードを破つたのは七十何日間です。之は世界一です。普通の人ではそうはいかないが、それでも先ず三週間は大丈夫です。だから成田の不動さんの断食のお籠り堂は三週間迄は良いと許可を得てます。それまで食べなくても大丈夫です。食欲の無い人――病人は衰弱しているから無理でしようが、食べたくない人は三週間やそこら食べなくても大丈夫です。それからもう一つ斯ういう事がある。私は以前リンゴを食べなかつたから、信者の或人が――其時分は大先生と言つたが――「大先生は何うしてリンゴはおあがりになりませんか」と言うから、私は「リンゴはつゆ気がないからあんまり好かないから食べない。だから食べたい人は食べても良いが、私は食べない」と、よくリンゴを持つて来ますから一寸言つて置いた。それから斯ういう事を言つた。「よく医学の方ではリンゴは薬になると言うが、別に何の果物が薬になるという事はないので、神様は必要があつて拵えたのだから、それの好きな人は食べて良いので、リンゴが薬になるという事はないから」と言つた事があるのです。そうすると何う間違えたものか「明主様はリンゴはいけないと言つた」という事になつて、それは可成り広まつたものです。私は其都度取消しましたが、可成り伝播力が強かつたとみえて取消の方が効果がないのです。その挙句最近面白い事を聞いたのです。之は地方でですが、リンゴは医学では薬になるというのだから、リンゴを食べるとやつぱり薬毒が害をするから、其処の家ではリンゴを貰つても食べないで腐らせるというのです。何んだというと薬毒が怖いというのです。そういう滑稽な事があるのです。だから私が言つた事や書いてある事を其の儘受取ると良いのですが、それにおまけをつけて段々誇張して、口から口へ伝わる為に段々育つていつて飛んでもない事になつて了うのです。だからそういう馬鹿々々しい様な事で案外間違つた事がありますから、凡て何でも何時も言う常識です。神様は人間に美味しい味のある物は、之は食べろ、味というものが栄養になるのだから、味のない苦い物とか不味い物は食べてはいけない。そういう為にあるのだから、それを我慢して食べるのは間違つている。という事は本にも書いてありますから、それをその儘とる様にすれば間違ないのです。だからつまり自然という事を忘れない事と、常識で判断する事を守つて居れば、先ず間違ないという事です。それ丈の注意です。

信者さんで、御教えの取り違えをしている場合が結構見受けられます。お互い注意したいものです。
治る病気も長引いたり、大変なことになったりしてしまわないように気をつけましょう! 参考に掲載しました。

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