【体験談Mr.Right】№25 登山電車での不思議なできごと

 今回の話は、2016年(平成28年)の12月の話です。私が退職する8ヶ月前のことですが、登山電車で不思議な経験をしました。

 私は、自宅から箱根事務所まで電車通勤をしていました。終点は強羅駅ですが、朝5時10分頃の最寄り駅の始発に乗って、3回乗り換えをして片道2時間ほどの通勤でした。

 そんなある日の強羅駅に到着した際に、目の前に座っていた乗客が眠っていて、強羅駅に到着したことに気づいていませんでした。私は、「強羅駅に到着しましたよ。」と声を掛けて起こして上げました。以前、私も居眠りをして、そのまま小田原方面へ引き返したことがありました。その時は、日直だったので、何で誰も起してくれないのかと怒りの思いが先に立ちました。そのような苦い経験があるので、そのまま戻ることになったら可哀そうだと思って、起こして上げました。その日は、朝からいいことをしたという思いで、ハッピーな日を送ることができました。

 ところが、次の日も強羅駅に到着した際に、同じ座席の隣に座っていた乗客が居眠りをしていて、同じように声を掛けて起こしてあげました。その日も、今日も朝からいいことをしたという、連日ハッピーな気分でした。

 しかしその次の日も、また向かいの座席に座っていた乗客が居眠りをして、強羅駅に到着したことに気づいていませんでした。私は、同じように声掛けをして起こして上げました。このような経験は、過去に一度もありません。以前にも、数回程度は眠っていた人を起こしてあげたことがあったかも知れませんが、目の前の人や隣の人を起こして上げるということが、三日間も続いたことに不思議さを感じない訳にはいきません。

 しばらく考えて、単純と思うかも知れませんが、私には「居眠りをしている人の目を覚まさせる役目」があるのではないかと思いました。勿論、信仰的な役目があると思いました。それはつまり、「救い主は明主様ただ一人である。人類の救い主は、明主様以外にはいない。それもケタ違いだ。・・・そのことを是非とも一人でも多くの人に伝えてほしい。」という東日本大震災で犠牲になった後輩が、若い女性霊媒師を通じて訴えていたことを、再度私に訴えているように感じました。

 当然ながら、彼からの訴えを忘れたことはありません。ただどのようにしていけばいいのかを考え、悩み続けていました。闇雲に話したところで、本気で受け止めてくれる人はいないと感じていました。そのような私に対し、「時間的な猶予はないんだ。頼むよ。」と、働きかけているように思いました。そのような思いになった翌日からは、目の前の人や隣の人が居眠りしていることもなくなりました。私は、やっぱりそうなんだ。「目を覚まさせる役目を、しっかりと果たしてくれ。頼むよ。」ということを、三日間かけて気づかせようとしたんだと、心底から思いました。

 この事実の中で、後輩の霊が働きかけてきたという確証は何もありません。彼でないかも知れません。霊界が意図していることは、私のような凡人には知る由もありません。しかし、三日間続けて居眠りをしていた人を起こしたことに不思議さを感じて、彼の訴えていたことに思いが至った翌日から、そのような現象が皆無になったという事実にこそ、超超超不思議さを感じない訳にはいきません。

 これは、後輩の霊界通信を受けてから、初めて体験談として世に出したものです。その意味では、後輩との約束のスタートラインに、ようやく立てた気がします。

 次の不思議なできごとは、上記の経験をした数日後のことでした。箱根湯本から出発した登山電車が、大平台の手前で急停車をしました。車内には「車両点検をします。」とのアナウンスが流れました。数分後には運転を再開しましたが、ガタンガタンという音を立てるのみで、一向に前に進みませんでした。むしろ、後ずさりする有様で、そのようなことを何度か繰り返し、結局は湯本に戻るというアナウンスが流れて、スイッチバックをする出山信号所まで戻って、後発の強羅駅行きの電車に乗り換えることになりました。こんなことは、私の経験上初めてのことです。

 この経験も、何気なく済ませてしまえばそれで済んでしまいますが、この頃は不思議なことが集中的に身の回りに起きていましたので、私は、何かしらの霊界からのメッセージではないかと思いました。

 進むことのできなかった電車は三両編成でしたが、乗り換えた電車も三両編成でした。これにも、きっと深い意味があると思いながらも、実はしばらくの間は、その意味を理解できていませんでした。こういう謎解きができないと、奥歯に物が挟まっているようでスッキリしません。時々思い出しては、考えてみますが、知恵が足りないというか、なかなかそうだったのかと思えるような考えに至りませんでした。ようやく納得できるような気づきが許されたのは、今年になってからのことですから、8年余りが経過しています。

 その気づきの内容も活字にしたいという思いはありますが、かなりリアルな表現になってしまうので、具体的なことは省略させていただきます。ただ一点だけ、ヒントとして言えることは、電車は湯本へ戻りました。箱根湯本駅は、登山電車の始発駅だということです。このことに気づいた私は、一気にパズルのピースが納まるべきところに納まったという感じです。きっと勘の鋭い方は、私のように8年余りも年月を掛けずとも、瞬時に霊界からのメッセージを理解できてしまうのかも知れません。また、私の気づき以上の気づきがあるのかも知れません。

 そして、その日の帰りのことです。箱根湯本駅に到着したら、先発の電車が箱根板橋で車両故障のためしばらく足止めされました。朝といい帰りといい、「今日は何という日だ!」と思いながら、イライラしていました。

 この時も、イライラする気持ちを抑えて、何かしらの深い意味があるに違いないという思いに至った時に、「待って居るこっちの身にもなってみろ。」という誰かの声が聞こえたように感じました。どこかで聞き覚えのあるこの声は、耳元で聞こえたというよりも、頭の中に響いたという表現の方が的確かも知れません。

 この日は、朝夕を通して、電車を乗り換えるという滅多にない不思議なことと、しばらく駅で待たされるという、余り経験をしたことのない一日となりました。それは、何かしらに気づけということを、私に必要性のあるメッセージとして、霊界から送ってきたものだと思っています。後から思うことは、朝夕とも同一の方からのシグナルだと思います。どんなお方かは分かりませんが、後輩よりずっと上級の、最上級レベルの霊からのシグナルではないかと感じています。私は、霊感の鋭い人間ではないので、そう感じたことすら説得力に欠けるかも知れませんが、不思議にも素直にそう思いました。

 どう考えても、この12月の登山電車でのできごとは、余りにも不思議すぎます。三日間も続けて、私のすぐそばに座っている乗客だけを居眠りさせるという芸当は、普通レベルの霊の仕業には思えません。また三両編成の電車を、登れなくしてしまうことも、それなりの力のある、あるいはそれなりの立場のある霊でなければできない事ではないかと思っています。

 その意味では、後輩が女性霊媒師を通じて訴えてきたことも、彼の独断でそうしたのではなく、上級の霊の指示あるいは許可の下でしたことかも知れないと思っています。そこに、霊界の何かしらの意図を感じています。

 私は、自分にどんな使命があるのか、明確に分かっている訳ではありませんが、何かの「型」としてさまざまな体験をさせていただいたと思っています。同時に、そのことを一人でも多くの方に伝えることが、今与えられている使命ではないかと受け止めています。
 
それでは、次回もお楽しみに!(次回が、最終原稿になりそうです。)

by Mr.Right

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