膀胱結核/膀胱結石『岡田先生療病術講義録』下巻(四)昭和11(1936)年7月

     膀胱結核

 この病気の症状としては、排尿時の前後、激痛を伴い、普通必ず多少の出血を見るのであります。

 原因としては二種あります。

 一つは、腎臓結核が移行したものと、一つは、膀胱自体に発生したものとであります。第一は、腎臓の説明にありますから、第二を説明しますと、

 初め、膀胱の外部に水膿溜結し、それが悪化して化膿状となり、漸次、膀胱内部に侵入するのであります。

 治療としては痛みのある部分へ向って行えばいいのであるが、これは非常に治療し難いものであります。何となれば、結核部へ常に尿の浸潤を受けるので、どうしても其為に治療を妨害されるから、長時日を予想してかからなければならないのであります。

 特に腎臓結核から移行したものは、治癒は特に困難であります。

膀胱結石

 この病気は、膀胱内に一種の石が出来るのであって、排尿の故障又は痛苦を伴うものであります。

 原因は、胆臓からの胆汁が浸出し、それが腎臓を通過して膀胱へ入り、尿中に混入せる水膿と結合し、化学的に結石するのであります。これは、胆石と同一の理であります。

 本療法によれば、結石は漸次崩壊して治癒しますが、相当の時日を要するのであります。軽症一ケ月、重症三ケ月位であります。 

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