御教え*鉱山(御垂示録8号 昭和27年4月1日④)

 鉱物見ましたか。これは、鉱物の知識がない人は、立派だとは思いますが、程度が分からない。私は二〇年前から鉱山に趣味があって、ときどきやりました。しばらく休んだり、ちょっと手を出したりしましたが、おそらくこのくらいの鉱石というのはないです。実にたいへんなものです。これは鈴、銅、亜鉛の三種ですがね。ピカピカ光って結晶しているのは、閃亜鉛せんあえんですね。光っていて黒いのは鉛ですね。方鈴鉱ほうえんこうとも言いますがね。それから黄色く、真鍮しんちゅうの粉がついたようになってますが、黄銅鉱おうどうこうですね。銅はあれが多いです。銅は黄銅鉱に限らず、斑銅鉱はんどうこうなど、いろいろありますが、一番多いのが黄銅鉱です。これはたいへんな鉱石で、これはやはり神様がちゃんと用意してあるのです。水上みなかみという、温泉で有名ですが、現場は駅から約三町くらいです。おそらく、駅にこんなに近い鉱山というのは、日本中にないと思いますね。たいてい鉱山というのは、駅から、県道を何里行って、山に入るのに村道が何里とか、たいていそういうものです。駅から三町というのは、まるで……宿屋かなにかですよ。片っ方は水上温泉、こっちは山ですからね。この山は去年買ったんです。秋田は前からやって……いまもやってますがね。山が大きいので、遠大な計画を立ててますが、いずれこれもたいした山になると思います。水上の山というのは、去年拳大こぶしだいくらいの鉱石を持ってきたんです。見るとたいへんなすばらしい物です。すぐ買おうと買っちゃったんですがね。ふつう鉱石を見ただけで買うというのはないですよ。山に見せにやるとか、こっちが見に行くとか、そうとう分析して研究してやるものなんですがね。そういう点は、私は非常に早いです。それは、神様のほうから、そういった、なにがありますからね。で、やり始めて……ごく小さくやり始めて、去年の秋、私が山に行ってみたんですが、前には細い脈があったんですが、それをボツボツ掘っているけれども、どうもこれは駄目だ。もっと下でなければ駄目だというんで、下を掘ろうとした。ところが、下に昔掘った坑道があるんです。坑道といっても一〇間くらいのものですね。坑道がある、そこの所を探らしたところが、三〇年前にやったもののため、落盤とかで、半分以上埋まっているんです。そこをやらせて……なにしろ元坑道があったものだから、うまい具合に進んで行った。五、六といって、五尺に六尺の高さですね。これは本格的の坑道ですがね。それで四、五十間行った。それで、もう少し行けば、私が見た細い脈の下になる。細い脈の下になれば太くなるということは、私に分かるんです。そこをやって行って、かなり行った所に、先に掘った人の突き当たりから四・五尺入るとぶつかっちゃった。これが実に奇蹟なんですよ。最初の人は、そうとう金を使って、刀折れ矢尽きたんですね。そこで放棄したんですからね。鉱山というのは、よくそういうものなんでね。たいてい借金したりしてね。金があって鉱山を掘る人はないですよ。金のある資本家とか大会社は、見つけた鉱山を買うんです。それを金かけて大仕掛けにして成功するんです。ピーピーしている人は、借金したりして、当ててそれを資本家に売るんです。水上鉱山みなかみこうざんはそこでやれなくなったので、放棄したんです。ところが四、五尺でぶつかっちゃったんです。神様がそこまでで食い止めちゃったんですね。だから、村中であの山で出るわけがない……だいぶ手伝った者がいるんですね。あれだけみんなで金かけてやったのに、おかしいと、みんな見物に来ては驚くそうですがね。やっぱり神様がやっているのは違うなと言っているそうです。

 とにかくたいへんですよ。神岡かみおか鉱山の技師に見せたところが、日本一だと言うんです。ですから、この山は日本一が三つある。鉱石は日本一で、出しと言って……輸送とか、そういうものですね。足場ですね。それが索道さくどうを掛けて山から駅までずっとやっちゃう。ふつうなら駅まで行くのにたいへんなものですよ。八里も十〇人に対して、専門のは一人か二人で良いです。これも、その坑夫賃は、まるでただみたいなものですね。鉱石が日本一で、輸送が日本一で、工賃が日本一です。だからたいへんなものですね。

 こんな鉱石というのは日本中にないですよ。ですから私は、さすがに神様と思いましたね。こんな馬鹿馬鹿しい……馬鹿馬鹿しいですね。みんな鉱石というのは、鉱物が石の中に混っているんですよね。ところが水上のはそうじゃない。鉱石の中に石が混っている。

 話は違うが、金掘吉次金売吉次は、金を見つけるのが名人で、頼朝が金掘吉次を無理に呼んだんです。来なければ命を取る、くらいに言ったんですね。とうとう鎌倉に呼んで、それから見つけさせて……伊豆の大仁おおひと金山を見つけさせて、頼朝が天下を取ったのは金山ですよ。天城あまぎふもとは金はあるんです。まだありますよ。で、昔から天下を取ったのは、みんな金ですよ。秀吉もそうですね。徳川だって、佐渡の金ですからね。佐渡の金が出なくなったので、徳川は駄目になった。まだ佐渡の金が出ていたら、明治の御一新はなかったですよ。で私は、いくら宗教といっても、やっぱり金だ……むしろ、戦争で天下を取るより、宗教で世界を救うほうが、金がいりますよ。昔からいろんな宗教がやってますが、文化が進んでなかったためもあり、非常に金を無視したですね。金というのは罪悪みたいになった。それは小乗信仰のためですよ。小乗信仰は金は罪悪と言いますがね。金といっても、良いことに使えば良いですからね。出版をするにも、旅行するにも、みんな金ですからね。だから、金は大いに必要なんです。しかし、信者の懐だけでは、よほどできない限り、なかなか思うような仕事ができないですからね。だから、世界を救うには、まとまった金がなければならない。それでいま鉱山をやったんです。それもこれも神様が準備してあるんですよ。水上鉱山について、いま発表できないですが、それは神様はたいへんなものですよ。いまこの鉱石が出ましたが、まだ序の口じょのくちなんです。まだもっと延長がある。いま鉱石のある所を10間ばかり掘っただけです。銅の鉱脈には、正規脈せいきみゃくというのと銅のポケット……所々に固まっているのとありますが、水上のは正規脈なんです。正規脈はたいてい長いのです。1000尺ある。短いのでも5、600尺ですね。だから、10間とすると、6尺ですね。600尺としても、もう10倍ですからね。それから正規脈の銅の深さというのは、多いので5,600尺。浅いのでも3、400尺はある。それで、三分の二くらいの所が一番富鉱帯なんです。私は二十年ばかり前に鉱山をいろいろ研究したとき、こっちはどうせ学校に行くわけにいかないので、本を研究したり、見本の石を買ったり、ほうぼうの鉱山から鉱石をもらったり、また私自身で行って山を見たことがありますが、それで普通鉱山の知識を得た。

 それから神様のほうから言うと、いまの鉱山学なんていうのは、たいへんな間違いです。医学や農業と同じですよ。これなんかも、私の鉱山学で検討するんです。だから、だいたい鉱山の山の形と、石を持ってくれば、たいてい見当つきますよ。鉱山学のほうとあべこべのところがずいぶんあります。だから、私は鉱山は別になんでもないと思いますね。わけなく掘り当てることができますね。これは、鉱山の関係の人でないと、ちょっと解りませんが、学問と根本的に違うことは、私のほうは硬化作用ですね。学理のほうはこうなっている。すなわち地から鉱液こうえきといって、鉱物になる液をふいている。地岩……岩石の亀裂があり、鉱液が亀裂に入って固まって、それが鉱物になるという。私のほうはそうではない。硬化作用です。土が硬化すると石になる。で、硬化作用というのは、分散するものなんです。これは人間の毒素と同じです。毒があるでしょう。だんだん浄化していくと、どこかに固まるでしょう。それと同じです。膿はだんだん固くなるでしょう。鉱物も、土からだんだん硬化して石になって、石から金になる。鉛というのは粘土が硬化したんです。だから、ちょうど粘土のような色をしているでしょう。褐鉄鉱かってっこうというのがあるでしょう。あれは、赤土が硬化したものです。銅は、赤くても……これは白い土ですね。白いといって、つまり火山灰ですね。これが多い。火山灰は灰色してますね。これが硬化すると、これは鉱山のほうでは凝結岩ぎょうけつがんと言いますが、凝結岩を見ると、所々に黒い斑点があります。最初は細かい……粉みたいなものですが、所々に斑点がある。それが、年代が経つと、一つ所に寄ってくる。寄ってくると、それから鉛とかすずとか、そういう物に変化してくるんです。それがもう一段硬化すると銅になる。それがもう一段硬化すると金が生ずる。金をもっと硬化するとプラチナになる。日本はプラチナが取れないということは、日本の国は若いんです。私はいつか書いたでしょう。古い国ほど金やダイヤモンドが取れる。ダイヤモンドというのは、最も硬化した物です。石英せきえいが硬化した物ですね。ダイヤモンドとプラチナは性質が違う。ダイヤモンドは石英の硬化した物です。石英が硬化すると水晶になり、これがもっと硬化するとダイヤモンドになる。日本は国が浅いから、水晶はできるが、ダイヤモンドはできない。ところが神道なんかでは、日本が一番古いと言っているが、あれは間違っている。日本の文化は二〇〇〇年ですからね。ところが、エジプトなんか五、六千年前に文化があったんですからね。で、若い国ほど進歩が早いんですね。メシヤ教なんていうのは、一番若いから一番力があるんですね。古くて良いものなら、仏教なんか、よほど力がなければならない。話はれましたが……とにかく鉱物というものは、そういうものなんです。で、地熱は常に作用している。太陽熱は下に照らしている。地熱は上に昇っている。で、太陽のほうが、同じ熱でも上等と言いますか……エネルギーが非常に強い。つまり希薄なんですね。浄霊して、こうやりますが、これは太陽の熱なんです。それで、地熱のほうは地霊ちれいですね・・・・地の霊気なんです。作物が育つのも地霊のためですね。この地霊が、体となれば窒素なんだからね。窒素を取って肥料に使ったりしますが、あれはたいして効き目がないです。体だからね。霊でなければならない。この霊が始終発散して、この霊によって硬化するんです。地殻を霊が浸透するんです。そうすると地殻と言うが、昔は泥みたいな物が硬化して行った。それが鉱物を生むということになる。で、地霊の関係で硬化の強い弱いがある。岩石が亀裂すると、そこから強い地霊が出る。地霊が強く出るから、硬化が強い。それから圧力ですね。なんでも押せば固くなる。やっぱり沢庵たくあんと同じですよ。大根は、沢庵石という圧力によって、ああいうパリパリした物ができる。で、山の中心ですね。山の頂上が一番圧力があるから、そこの下が一番圧力がある。私はそこを掘らしてますがね。だんだん中心にね。

《お伺い》そういうことは世間に知らしてはたいへんで。

《御垂示》教えたってたいしたことはない。神様が許さなくちゃ掘れないからね。

《お伺い》三〇年間鉱山をいたしております者が、先日の明主様のお話を拝し、自分の経験からおして、よくあれほどのことを……とびっくりいたしておりました。

《御垂示》そうでしょう。やっぱり下に行くほど銅が多い。上に行くほど鉛になって、それから亜鉛になって、銅になっている。だから堅坑たてこうを掘らしています。

《お伺い》硫化りゅうかがつきものでございますが、性質が違いますのに。

《御垂示》ぜんぜん性質は違います。性質は違っていて、土の分子としては共通した点があるんです。本質ですね。けれども根本は違います。硫化のほうは鉄ですからね。こっちのほうは銅ですからね。だから下に行くほど、すべて山というのは銅がある。だから、鈴の山で、だんだん下に行くと銅になる。

《お伺い》良い山はあまり木が生えてないということを言いますが。

《御垂示》大いにあります。それで見る人がありますがね。山を見て禿げているでしょう。それで鉱物を見る。つまり、鉱物の霊気ですね。霊気が発散している。よく焼けと言いますが、焼けのある山は、きっと鉱物がありますね。けれども、そうばかり言えないことは、土に噴火の灰があるのは、木はあまり育たないですよ。箱根なんかは、木が短いですが、元の噴火の灰ですね。だから、富士を中心にした所は、あまり大森林はないんですよ。富士は火山灰がずいぶん降ってますからね。それは作物の種類にもよりますがね。薩摩芋なんかは火山灰に良いです。だから関東は薩摩芋が良いですね。それで、富士が噴火したときに、風が南風だったんですね。だから関東より北のほうに多く降ってます。埼玉県なんかの畑で火山灰がたくさんある所が多いですね。今日は話ばかりになっちゃったね。これから質問を。

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